先日、とある夫婦が子連れでアメリカに旅行した時の話。お子さんは途中からサトウのご飯しか食べなくなったそうで。
海外生活では、日本の白米が、如何に貴重か、という話です。
「子供がサトウのご飯しか食べなくなった!」と聞いた時、私は、大層白米を恋しがっていた時代を思い出した。
それは留学時代。
海外飯が続くと、サトウのご飯、美味しい白米が恋しくなるという心情はすごくよくわかる。
---------イギリス回想ここから---------
私の海外歴は2004〜2010まで、単身でイギリスに滞在していた。ホストファミリーと住んだり、寮に住んだり、友達と住んだり、と色々。
ホームステイ時代は、飯付きで、人様の家のキッチンは自由に使えないので、日本食を食べたのは2年間で5回位。
一時帰国して食べたご飯とお味噌汁がどれだけ美味しかったことか。
寮を出て、自炊を始めたら日本食が好きに食べれたか、というと否。
貧乏学生であった私は、日本食の食材を買えなかった。日本食はおろか、肉が高くて買えない日も…
日本で育つと、米=日本米と思って育ちます。フランス人がパン=バゲットと捉えるのと似てる。
イギリスで言う米は、元植民地からのインド米が主流。日本米と全然違う。人参とキャベツ位違う。
もう少し日本米に近くて、お値段もお手頃なものを探した結果、たどり着いたのはタイ米だった。
タイ米と日本米も全然違うんだけど、ここはキャベツとほうれん草位の違い。そこで妥協していた。
「これはほうれん草なんだよ」と暗示し続ければ、キャベツをほうれん草として食べれる…かも。騙し騙し。
夏休みに帰国して、母が炊いた本物の日本米を食べた時の感動は忘れない。
---------イギリス回想ここまで---------
日本という国は、本当に米が美味しいし、食事のバリエーションが豊富。一般家庭で、和洋中なんてジャンルを跨いだ献立を組む国は多くはない。そしてお米が美味しい。
アメリカに旅行した、日本人の子供が、日本の美味しい美味しい白米を恋しくなったとて、なんの不思議もない。
イギリス飯とのお付き合いにも注意は必要だったが、アメリカ飯も中々大変。
私は一時期、半年に一度アメリカ西海岸に出張してた。その時期にアメリカ飯の大変さを知った。
もう、とにかく量が多すぎる。
ゆえ、アメリカ飯はすぐ飽きる。
レストランで食べきれなかった残りを持ち帰り、次の食事では冷えた飯をホテルで一人食べる。
いくら肉好きでも、500グラムのステーキ出てきたら、食べきれない。スポーツ選手や育ち盛りの中高生ならともかく、25歳を越えた大人には難しいのでは。
イギリス人にしても、アメリカの食事の量は信じられないらしい。
▲何もしなくても10キロ痩せるor太る
アメリカからイギリスに留学していた生徒もいました。イギリスに住んだだけで10キロ痩せたとか。
車は使わずに歩いて、寮の食事もビュッフェ式の食べ放題ではない。
それだけで10キロ痩せた。
▲アイスクリームの量
暇つぶしにホテルのルームサービスのメニューを見ていたら、こんな文字を目にした
A pint of ice cream
1パイントのアイスクリーム
パイントとは、イギリスでよく使われる単位で、主に牛乳やビールの量を表す。1パイントはだいたい500mlで、ビールなら中ジョッキくらいか。
500mlのアイスクリームを、一人の人間が、一回の食事で食べるの?
ホテルには、冷蔵庫はあっても、冷凍庫はない。つまり、アイスクリームは食べきるしかない。
無理じゃない…???アイスってそんなに沢山一気に食べれる??
ハンガリー人の同僚にこの話をしたら、激しく同感してくれて「500mlのアイスって、家族で一週間くらいかけて食べる量だと思ってた」とまで言ってくれた。
でかいのはアメリカン・ドリームだけじゃない。体も食べ物の量も半端じゃないのがアメリカなのか。
世界各国、美味しいものは沢山あります。けれども、日本のお米はやっぱりとってもとってもとっても美味しい。
日本に帰ってきて10 年近く経った今、これを忘れていたのではないか。
いつも当たり前に食べているお米に感謝して、「当たり前の日常」に感謝して、ご飯を食べよう。
そう思えた。
いただきます。