打たれ弱いママの徒然日記ー子育てや留学体験記など

打たれ弱いママの日々を綴ります。

ニュース(帝王切開を許されず妊婦が自殺)から思うこと

 

哀しいニュースが目に止まった。

 

中国で、家族に帝王切開を許可されず、臨月の妊婦さんが自殺してしまった。自然分娩がリスキーだった故、帝王切開を提案されてたのに・・・なんて理解のない家族なんだ。

妊婦本人は帝王切開を希望したが、どんなに懇願しても家族の許可が降りず・・・・・

 

Chinese debate medical rights after pregnant woman's suicide - BBC News

 中国の妊婦が出産目前で飛び降り自殺 死因を巡り家族と病院が対立 - ライブドアニュース

 

中国では家族の許可がないと手術ができないらしい。

 

医者:下から産むのは危ない。

家族:帝王切開なんて許可できない。

 

 

では、どうやってこの出産を乗り切れば良いのだ?と追い詰められた妊婦さん。

その選択肢が「死」だった… 誰も自分を守ってくれない、と思ったのでしょうか。

 

私は「無痛分娩のススメ」なんて書いてるけど、そんな次元の話ではなかった。

 

違う命をお腹に宿し、妊娠という苦行に9ヶ月間も耐え、我が子を抱くのを楽しみにしていただろうに…

 

「妻がそんな早まったことをするなんて、そんな人じゃなかった。」

と夫は言ってるそうです。

 

 えーと。

妊娠中って、「いつもとは違う人」みたいになってるんです。同じだと思ったらダメだって!だって胎児という「違う人」が中にいるんだから。

 

妊娠って、自分の体なんだけど、自分の体じゃないみたいなんです。別の個体がお腹の中に居て、カルシウム・糖分や酸素に至るまで別個体が吸い取っていく。妊娠初期は常に気持ち悪いし、後期は息苦しくなっていく。 ありえない程自分の体が変わっていく。初めての妊娠であればとくに、これから一体自分はどうなってしまうのか、と不安だらけです。

 

そんな中、まともな精神のままで居るのは非常に難しいです。誰かの支えがなければとてもできない。

 

こんな哀しいニュースを見た時、2回も無事に出産できた私は本当に幸運だった、と思わざるを得ませんでした。

 

 

子供が生まれてから「母になりました」「父になりました」って言う事が多いけど、私は違うと思います。お腹に宿ったその時から、母は母だし、父は父。

 

仕事がいつもみたいにできない

常に眠い

家事も全然できない

気持ち悪い

今までの好物が、見たくもないほど嫌いになる

 

長女れーちゃんを妊娠中も、ツワリは軽くはなかったのですが、次女ワカメちゃんのツワリは何倍も重かったです。れーちゃんが拾ってくるばい菌に毎回感染し、ノロウイルスまでかかりました。子育てしながらの妊娠がこんなに大変とは…

 

私も妊娠中まるで別人格のように、桁違いに怒りっぽい我慢ができない奴になってました。自分の意志とは関係なく、 嫌な奴か具合の悪い奴になっており、毎日毎日そんな感じなので「元々の私ってこんな嫌な人だったの?私ってこんな変な、何にもできない人間に変わってしまったの?」と嘆く日々。それが私の2回目の妊娠でした。

 

私の主人は二ヶ月の育休を取っただけではなく、私がワカメちゃんを妊娠中で動けなかった間も、寝かしつけを除く、れーちゃんのお世話をしてくれました。週末はご飯を作ってくれたり、れーちゃんと遊んでくれたり、と私の母にもとても助けられました。日中のれーちゃんのお世話をしてくれた保育園の先生たちにも感謝しかありません。

 

おかげで常に気持ち悪かった私は、子育て中であるにも関わらず体を休めることができました。無理に動いてたら流産してただろうなぁ。

 

ワカメちゃんは私のお腹の中育ちましたが、その私を守っていてくれたのは、父であり、れーちゃんの保育園の先生であり、私の母です。陣痛中はお姉ちゃんであるれーちゃんの写真を片手に私は頑張っていた。※「無痛分娩」と言えど、全く痛くないわけではないんです。

 

お父さんに、おばあちゃんに、保育園の先生に、お姉ちゃんに、こうやって皆に守られて、ワカメちゃんは生まれて来た。そして皆がいたから、私が妊娠中もれーちゃんはすくすくと育てた。 我が家の姫たちはこうやって皆が育ててくれたのだ、と大きくなったら伝えよう。

 

妊娠中だって育児中。育児中は、妊娠中すらもワンオペじゃ、一人でやっちゃだめ。

 

妊婦の皆さんは自分の中の命を守るためにも、周りを頼ってください。頑張り屋さんだと妊娠中も頑張ってしまい、そのまま切迫早産で入院したり・・・・なんて話もよく聴きます。そうならないように、ワカメちゃんは体で私に教えてくれたし、そのワカメちゃんのメッセージを私の周りの人は受け取ってくれました。

 

私が信じられないほど打たれ弱い、事以外は限りなく恵まれていたと思います。理想の母親像は捨て、自分の弱さという個性も認めたからこそ、こんな助けを得て無事に出産できました。

 

妊婦じゃない皆さんは、手伝ってくれ!・・・とまで言いませんが、優しくしてあげてください。

「妊婦だからって甘えるな」「子供を産むのは自己責任だ!」と思ってしまう方もいるかもしれません。そんな方は冷たい視線を送らずに、そっとしてあげてください。

 

子供が産まれてからも不自由だけど、片時も離れられない妊娠中もとっても不自由なのです。

 

 

たとえ妊娠したことは自己責任だとしても、妊娠すると自分がどんな体になるか、なんてやってみないとわからない。

 

毎日一体自分の身に何が起こるのか分からない、もう一つの命を抱えた人、として妊婦さんにもっと優しい世の中になればいいのにな・・・・