2年間のホームステイという名の居候生活を経て得た教訓は「一緒に住んでいなければ大概のことは許せる」でした。
「イギリスは飯がまずい」と悪名高いです。実際どうだったのか?
異文化の人間が同じ屋根の下で暮らしていれば、揉め事は起こります。しかし、お料理については私は幸運だったと思います。
- パスタ ボロネーズ
- ローストチキン
- 豚肉のソースとオーブン焼き
- じゃが芋とソーセージと野菜
- クリームパスタ
- クスクス
最初の一年お世話になったオブライアン家(仮名)での夕飯はこんなものが多かった。
「あれ、けっこう美味しいごはんじゃーん♪ラッキー」
と食べていた。
あれ?一週間後もまた同じメニュー?
あれ?これ、この間も食べなかったっけ?
日本との徹底的な違いはレパートリーの少なさです。
学校の給食にせよ、私の母(料理好き)の料理にせよ、だいたいメニューが一巡するのは1ヶ月ほど単位であった。が、イギリスではそれが1週間単位で一巡。
「またパスタか・・・・・飽きる・・・」
最初はそう思ってたけど、実際そこそこ美味しいご飯を作ってくれるわけだし、慣れてきたら大丈夫になりました。人間何事も慣れだ。
私はラッキーだった!!
と思えた理由はですね。
同じ市内には日本人の留学生のお友達のホームステイ先のお家ご飯を食べたから。そのホストファミリーはね、カレーを振る舞ってくれたんです。
でも食べれないほどまずかったんです。
カレーだよ。
食べれないほど不味いカレーって作るの大変じゃない!?
結局ほとんど食べなかったために「あの子は拒食症なんじゃないか」と疑われてしまう程でした。「不味くて食べれなかった」と認識されるよりは「拒食症だ」と勘違いされている方がマシっす。
その不味いカレーを経て、飽きるほど同じメニューが出されても、オブライアン家のご飯を美味しくいただくようになりました。
盲目ならぬ味盲という障害がありまして、イギリスの20%の人口がこれに当てはまるとか。そりゃー「イギリスは不味い」と言われかねない。
イギリス人の一部が味盲だったから、食べ物に疎かったから、世界を征服できたのでしょう。
大学時代のイギリス人の親友の実家のご飯は死ぬほど美味しくて、イギリスの飯はこんなにも個体差があると思い知ったのでした。