ジョージフロイド氏の死亡事件により、人種差別に対する議論があちこちでヒートアップしている。
先日発見したある投稿に、嫌悪感を覚えている。
「暴動に参加するよりも、しっかり勉強して、黒人がもっとMBA取れば、黒人差別もなくなっていく」
ですって!!心底、引いた。しかも、善意と思って、本気で発言している。
この発言者には山ほど言いたいこと・聞きたいことがある。
- 自分が既得権益層にいることはわかってる?それは、誰がどのようにして、支えているのか知ってる?
- 全ては自分の力だけでと思ってる?
- 既存の権力ゲームを制してからじゃないと、低層階級の人たちの権利は認められないって??
- MBAってそんなに偉い?なんで?どこが?
選民思想は恐ろしい。それに気づいていない場合は、恐怖度が増す。
少数派が権力を持つと選民思想になりがち。
じゃあ権力がない少数派はどうなる?
権力がない少数派は、多数派の人たちが怖いことがある。長い前置きを経て、ようやく本題、「少数派について」に入る。
人種差別からはちょっと離れて、「少数派」に対する差別問題について、私の率直な思いをお伝えします。
私は自分自身をマイノリティだと自負している。
「マイノリティの方がカッコよくない?だから、マイノリティって言いたい」んではなくて、本当にマイノリティなのだ。それによる苦悩も苦労も沢山あった。
権力のない少数派の悩み:いちいち大げさに騒がないで欲しい
少数派は、特別待遇して欲しいなんて、思っていない。変に目立ちたくはない。
少数派は「普通に」、平和に、生活したいだけ。
けど、なかなかそれが許されないのは少数派の普通≠多数派の普通なだなら。
少数派が「普通に」望んでいることは、多数派にとっては「変」と思われる事が多い。
この世では、まだまだ、多数派が正義とされている。特に、村社会の日本には、その色が強い。ちょっと変わった事を言うと、「あいつは空気を読んでない」と揶揄される。今まで、私は、何度もそう言われて来た。
少数派の人は、別にワガママでも人のことを考えていない訳でもない!でもなぜか、少数派が言ってる事が、多数派の誰かの心を刺激して怒らせてしまう事が、私は多かった。
誰しも、意図的に人を傷つけたいなんて思わない。心の奥底では、誰も、そんなことを望まない。
多数派が正義な場合、人と異なる姿、異なる考え方、異なる行動が「異端」と見なされる。
多様性?ダイバーシティ?
確かに大事なことかもしれない。でも、私は、「ダイバーシティが〜」と謳う企業も人も、あんまり好きじゃない。
そんなブログを昔も書いたなぁ…「ダイバーシティの嘘ホント」。
「ダイバーシティが大事」とか言ってる彼らは、「少数派でいるとは何か」「少数派は何を望むのか」を、何にもわかっていない。
Diversity and Inclusion
私には吐き気がする言葉。なぜ「Inclusion 」(受け入れる)なの?
「俺たちはマイノリティを受け入れるだけの器があるぜ〜」
とでも言いたいのか。
自分が「受け入れる側」だと思って、優越感にでも浸ってると思うのか。しかも、そういう人たちに限って、「俺たちエリートだぜ☆」って思ってる人が多い。エリートもどきは、一番多様性から遠い。真のエリートと偽エリートは全然違う。
少数派はね、「我々は貴方を受け入れますよ」なんて言われても嬉しくないの!!恩着せがまくすら、感じる。
例えば、私が妊婦という少数派だったとき。電車で「ここに妊婦さんがいますよ〜!」なんて大声で言われたくない。普通の体よりも、身重は疲れやすいし、不安定→だから、座りたいってだけ。譲って頂けた時は、それはもう有難かった。
例えば、私が、社内では稀なバリバリ働けないお母さんだったとして、フルタイム勤務じゃなくて勤務時間や日数を減らしたいことを、大げさに扱って欲しくない。(でも、前例がない、って色々難航した経験もある)
私はヘテロセクシャルだけど、LGBTの人だって同じだと思う。
「私、ゲイとかそういうの平気だから」とか言われても、ちっとも嬉しくない。その発言には既に差別意識が見える。「ああ、貴方は中華料理が好きなのね」位の感覚で、「ああ、貴方の性的嗜好は〇〇なのね」って受け取ってもらいたい。
ちょっとね、少数派としての愚痴をこぼします。
もう、少数派って、疲れる!
じゃあ多数派になれば疲れないのか?を実験したこともある。結果、本心でもないのに、多数派の意見にすり寄ってみても、イライラして余計疲れるだけだった。自分に嘘をつくことになると、更に疲れる。
何が疲れるって、私の中ではごく「普通」に、自然に湧き上がる考えに、逐一あーだこーだ言われるから。
- それって変!
- 普通さぁ、〇〇だよね(なぜ、お前は〇〇じゃないの?)
- ここは日本なの!(長期留学から帰国した時、よく言われた)
私の願いは、平和に過ごしたいだけ。
多数派が正義というルールで生きる場合、少数派の罪なき希望を通すには、改革が必要である。
少数派の希望に何の悪意も害もなくても、既存のルールとは異なる対応が求められるのは、わかる。
わかるけど……それをイチイチ大騒ぎして欲しくない。
以前書いたとおり、私は資本主義も民主主義も決してベストではないと思う。なぜなら、以下のどちらも、人間が幸せになるためのルールではないと思ってる
- 資本主義の世界:「金持ってる奴=正義」
- 民主主義:多数派が正義
※私は社会派かもしれないけど、社会主義者ではないです。
資本主義、金=正義だったから、列記とした人間を奴隷にする、みたいな非道が起こる。
多数派が正義だから、少数派は「空気読めない」などと迫害される。
日本はほぼ、単一民族国家。人種差別は起こりにくい。けれど、日本にも差別はある。女性差別、片親差別、非嫡出子差別、上げたらキリがない。
人種に限らす、世界のあちこちに差別は存在してる。私の中にも、差別はある。「俺たちダイバーシティ受け入れてるぜ☆」と言ってる人たちを、めちゃくちゃ差別してる。そういう人たちのことも受け入れてこそ、本当のダイバーシティなのか。
これだけ偉そうに言っておきながら、私の心は「高慢と偏見」の塊。ここで読んだ事もない小説のタイトルを引用する自分の図々しさが、またすごい。
力のない少数派の気持ち、少しでも伝わったら嬉しいです。
追伸:人種差別がメインテーマではないですが、「銃・病原菌・鉄」という本は良書です。「いかに、ヨーロッパ系白人が優れていた訳ではなかったか」が物証と共に理論的に語られている本。作者自身は白人のアメリカ人だが、彼の思想はアメリカ国内では相当変わり者扱いされてるに違いない。
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