先日、前職の先輩と久々に話した。時節柄、今回はビデオ電話で。
二度目の出産から復職したての頃、私としては最善を尽くしていたが、フルに働けないことで周りに迷惑もかけていたことだろう。
ありがたく、申し訳なく、もどかしく、辛い思いもあった。
昔からずっと、優しい先輩。オンライン会話での先輩の一言で、あの時の自分が、なんだか救われた気がした。
-------------回想ここから-----------------------
私は昨年(2019年)まで、IT企業の会社員だった。8 年半在籍した間に、2 回出産している。
かっこ悪く、申し訳なく、弱っちいことに、私は一度目の育休復帰を、失敗したと言える。復職して数ヶ月で、会社に行けなくなってしまったのだ。
数ヶ月の間に諸々あったものの、当時の上司の一言が引き金だった。
時差のある「グローバル」な仕事をしていたため、早朝や夜のミーティングも避けられない。子供(れーちゃん当時は1歳)も、まだ夜泣きもあり、私も安定的に不眠症だった。
「グローバル」なチームに入った当初は、独身で子供もいない。アメリカに合わせた朝早いミーティングも、ヨーロッパに合わせた夜遅いミーティングも大した問題ではなかった。けど、いざ人の親になると、大問題!!!
更に悪いことに、日本の担当者は私のみだったので、私が会議を欠席する選択肢もなかった。
体調は悪くなる一方、精神的にも病んで、会社に行く事が恐ろしくなっていった。そして、休職した。
休職中、少しずつ回復はしていったものの、腫れ物みたいになってしまった私を救ってくれたのは、最後に在籍したチームだった。復職するタイミングで異動したのだった。
この新チームに異動しようと決めた理由は諸々あった。
・日本時間で働ける(「グローバル」時間帯の会議は原則的にない。保育園の時間中に働ける)
・複数人で同じ仕事を分かち合うので、全会議に私の出席が不可欠ではなかった
・そもそも複数人の知り合いがいる部署でやりやすい
・これまでの私の経験が活きそう
このチームは、世にも恵まれたチームだった。ワーキングマザーに優しく理解のある上司と同僚、楽しい同僚、優秀で良い人ばかり。
理解ある上司と同僚のおかげで、特例的に私は、給料と共に業務量を減らしてもらい、週2日在宅勤務をしていた。二人の幼児を抱える私としては、在宅勤務は非常にありがたかった。けれど、胸の奥の罪悪感は消えなかった。
「本当は私も○○の会議に、会議室から参加すべきなのに…」
「本当は私も出社してるべきなのに…」
全うな許可を貰っているにも関わらず、私の中では罪悪感が消えなかった。
次女ワカメちゃん→長女れーちゃんの順番に胃腸炎になった時、出社できない日が続いて。夜明けに吐き気を抑えられなかった娘に起こされ、「今日も出社は無理か…在宅にさせてもらおう」と、朝5時にメールしていたこともあった。
朝5時なんて。今はグースカ寝てる時間。夜中の会議がなくなったとはいえ、やはり体にはそれなりに負担だった。本当は、私はもっと眠っていたかった。
子供たちの体調、自分の体調という不確定要素を抱えていても、「安定したパフォーマンスを出さなきゃ!」というプレッシャーと戦ってた。
絵にすると、こんな感じ↓
私には、そこを耐えきる根性も忍耐力もなかった。
-------------回想ここまで-----------------------
私が退職したのは、前向きな理由だった。体力的に辛いのも大いにあったが、他にやりたい事があったからだ。誰のことを恨むこともなく、会社を、同僚を嫌いになることなく、笑ってさよならを言えた。むしろ今もあの会社にも同僚にも、私は愛を持っている。
そうやって笑って、さよならを言えたけれど、私の罪悪感や申し訳なさは伝わっていたらしい。
私の前職の会社は、随分前から全員在宅勤務になった。全く支障なしに動いている、とあちこちから耳にする。
先日ビデオ電話した先輩も、ワーママ同僚も口を揃えて言っている。「在宅勤務は体が楽だ」と。家事も捗るし、子供と過ごす時間も増えたと。
「あの時、かおりちゃんは週2日在宅勤務してて、それを申し訳なさそうにしていたよね。
あれがどれほど大変だったことか。業務としては、フルリモートで済んだことだったのに。
もっと早く、フルリモートを受け入れる社会になるべきだったよね。」
先輩がそういってくれた。
「あの時フルリモートが許容されていれば、かおりちゃんともっと一緒に働けたかもしれないのに」。
そんな先輩の思いが伝わって来て、泣きそうだった。この先輩は私に様々な仕事を教えてくれ、サポートしてくれた。
こうやって働きたい。そういう理想はあるものの、時間的に、体力的にそれができない。それがもどかしく、申し訳なく、自分ではどうしようもなく辛い時期があったのは事実。
久々の先輩との会話で、あの時の私すら救われた気がしていた。
物理的にも精神的にも、今やすっかり元気になってきた私。依然として、体力も忍耐力もないし、短気である。もはや、これを罪に思うのは辞めて、個性として受け入れるしかない、と思う。
休職した自分。上司も同僚も私に対して思うことはあっただろう。心底心配してくれた同僚もいた。
誰よりも強く、私を責めて、腫れ物みたいに思っていたのは、私自身だったのかもしれない。
他のワーキングマザーみたいに、
仕事できていない自分
育児できていない自分
精神力がない自分
体力がない自分
そんな自分を、随分と長いこと恨んでいた。
自分を責めるのではなく、自分ではない誰かになろうとするのではなく、自分を腫れ物扱いもしない。
自分は自分の味方でいなくちゃ。
先輩の優しい言葉から、そんな事を思えた。誰かに優しくしてもらうと、自分にも優しくなれるみたい。
そうなったら、人にも優しくできるんだろうな。イライラしながら自己犠牲してる場合じゃない。まずは自分を満たそう。
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