世界的ベストセラー「サピエンス全史」の感想の①の続きです。前回は上巻について、今回は感想②を。
人類は集団で行動することにより、他の動物たちを征した。その後は、人類の中でも序列を決める争いが始まった。今回の感想は、その経緯・鍵となるコンセプト(虚構)について。
目次
- 上巻おさらい:人を人たらしめるのは虚構
- ホモ・サピエンス内の抗争
- 最大公約数の虚構=貨幣
- ゲームチェンジャーは科学!(次回予告)
上巻おさらい:人を人たらしめるのは虚構
人類は共通の虚構(実体のないもの)を信じることにより結束→他の動物・他の人類を凌駕してきた(破滅させた)
例:マンモスVS人間。
1対1ならば到底勝てない相手でも、相手を打ち負かして来たのは、虚構のおかげだった
※上巻の詳しい内容・感想はこちら
下巻では、時代と共にホモ・サピエンス(人類)が信じる虚構が変化していくという話。
※感想をわかりやすくするため、上巻の内容も②に含まれます
ホモ・サピエンス内の抗争
初めに人間が信じた虚構は何だったのか。神さまという存在かもしれない。石や空に神が宿る、という原始宗教が最初。
人類は農業を開始してから、「蓄え」という発想を得た。米・小麦は腐らないから、貯蓄できた。いずれそれは、野良仕事する農民(被支配者)と官僚や王族(支配階級)を産むことになった。
生まれながらの王族、生まれながらの奴隷。同じ一人の人間であっても、血統や性別から階級が生まれるようになった。これも新しい虚構だ。同じ人間なのに、方や野良仕事奴隷、方や貴族なんて
不平等。けれど、人々は階級制度を強く信じるようになった。
階級制度という虚構を信じて、人類はコミュニティをどんどん巨大化=帝国が生まれた。
最大公約数の虚構=貨幣
虚構とは何か。
虚構=共通の主観
古今東西、一番広い範囲で共有されている主観は「貨幣」「お金」である。残念ながら、愛ではない。
価値観が全く違う相手であっても、お金だけは共有認識があった。
今も昔も、貨幣そのものには価値がない。AさんもBさんもCさんもXさんも、「この紙幣は一万円の価値がある」と信じてるからこそ、貨幣に価値が生まれる。
貨幣という虚構を使って、世界各地で帝国(または王国)が出来た。エジプト、中国、アステカ、ローマ、ペルシャ、インダス、上げると切りがない。
各帝国は、宗教観や習慣は違う。けれど、貨幣だけは絶対的存在としてそこにあった。
愛とか夢とか希望とか、それは「人類最大の共通項」にはならなかった。きっと未来永劫ならない。
結局金の方が強い。そして、金を巡って(換金できる価値を巡って)人類は戦争し続けた。何世紀も何世紀も、様々な帝国が出ては消える。帝国間の争いを大きく変えたのは科学。
ゲームチェンジャーは科学!
そう、ゲームチェンジャーは科学。
科学の発展が早かったから、ヨーロッパ白人勢はこの世の覇権を握るに至ったのだ。
理系オタクの私には、心躍る話だ。
なんだけど…ちょっと話が長くなるので、続きは次回!
次回の内容→
- 科学が進歩した本当の理由
- ヨーロッパで科学が発展した理由