打たれ弱いママの徒然日記ー子育てや留学体験記など

打たれ弱いママの日々を綴ります。

人それぞれの「グローバル」の定義

大学生に、時折こんな質問されます。

 

「留学中の就活ってどうでした?」

「留学経験って就活や就職後にどう活かせばよいですか?」

 

留学経験が活きない、むしろマイナスになる場合もあるのです。自分のあり方と勤務先との相性による。

 

あまり明言はされない、私自身が感じた「留学経験の活きる・活きない」について語ります。

 

私の留学経験がむしろマイナスになった例を一つ。

 

人事権のある日本のおじさん達が考える「グローバル」と私が考える「グローバル」はまったく一致していなかったのです。 

 

10 年前の私の就活(留学中)は難航しました。当時はリーマンショックの後でそもそも就職難。その上、イギリスの大学に通いながら、日本での職探しは難しかったです。最終的に、唯一遠隔地からのビデオ面接をしてくれた外資系の会社に入社しました。

 

「グローバルな人材が欲しい」と謳う企業の言葉を鵜呑みにしてはいけなかったのだ、と私は就活を終えた頃に知りました。日本企業へも応募したけど、ほぼほぼ途中で脱落。

 

日本のおじさん達が考える「グローバル」と私が考える「グローバル」はまったく一致していなかったのです。

 

たとえば、数字にすると ↓

  • 日本のおじさんたちの「グローバル」:日本色 9 割+グローバル色 1 割
  • 当時の私自身:日本色 4 割 + イギリス色 6 割

 

私は、17-23歳までイギリスで、現地校に通い、6 年間を過ごしました。

 

留学年数が長いと、その分英語はできると仮定し、「グローバル」人材を求める採用担当者は、なんとなく私の履歴書がよく見えたのでしょう。実際に面接で会ってみると「なんだか違う」と思われたのです。

 

「貴方は、英語をしゃべる人の話し方をしますね」

 

うーん・・・・私は確かに英語を話すが、英語を話すようになったのはここ数年の話であり、英語を話せるようになる以前からこのスタイルで話してるけど?

 

結論を最初に伝えたり、曖昧にせずにハッキリと言う姿勢に、面接官もびっくりしたのか。面接官に「あなたは異分子ですね」的なことを言われることは正直不愉快だった。(ここは不採用でした。どう考えても相性が悪かったから、採用されなくてよかった)

 

 

就活当時の私は、英語は確かにできました。が、それ以前に私は「日本人らしくなかった」のです。

 

20 前後の 6 年間という時期に海外で生活する。習得したのは語学だけではなく、価値観や生き方そのもの。相当にイギリスに感化されてました。

 

企業の採用担当者してみれば、「肌に合わない」の一言だったでしょう。

 

もし仮に入社していたとしたら、英語はできても、日本風の考えに反りが合わなくなり、おそらくさっさと転職していたでしょう。

 

「自分はこういう人間なんです」と正直にさらけ出すことは長期的には良い結果をもたらす。

 

 

日本のおじさん達、日本企業が好んで雇いたい(または相性が良い)のは、「基本的には日本育ちの日本人で、1年だけ海外留学したことがあったりして英語にアレルギーがなく対応できて、日本人的な空気読み能力のある人材」。 要するに、「英語アレルギーがない日本人」が欲しい。

 

日本的な考え(協調性とか和を尊ぶ)のほうが小さくなっており、自分の考えをハッキリ主張する私は非日本感が強すぎた。

 

「グローバルな仕事したい」

 

これもよく聞く言葉なのですが、あなたにとっての「グローバル」って何なのか?を考えて欲しい。日本以外の取引先や仕事仲間が居ればグローバルなのか、っていうのは短絡的。

 

非日本的=グローバルではない。

 

たとえば、世界各国に向けてプリンターのインクを作る会社であれば、各国にユーザーがいるかもしれないけど、そもそも携帯もPCも持たない、プリンターが必要ではない暮らしをしている人・国を対象としたビジネスではないのです。同じくらいテクノロジーを持っている人、という社会のピラミッドの横つながりの「グローバル」。

 

反対に、国内の取引先しかいなくても、所有率が高いもの(たとえばタオル)を作る会社であれば、対象人口は多い。社会の階層問わずお客様がいるという縦つながりの「グローバル」。

 

いろんな「グローバル」の定義があるのです。Globeってのは地球儀、世界の意味。自分の住む世界がどれだけ広く狭く、浅く深いのかは、人それぞれです。

 

「グローバル」って言っても言わなくても、個人の自由です。ただ、気をつけたいな、と思うのは、目の前の人が考える「グローバル」と、自分が思う「グローバル」は違うということ。

 

 

就活生だけではなく、企業の担当者さまも、自分の望む「グローバル」とは何か、よくよく考え採用活動して欲しいと思います。