昨日の東京は大雪でした。
雪ゆえにいつもの自転車には乗れず、バスやタクシーを使ったり、太陽の光で雪が溶けていくのをありがたく感じたり。雪という少し不便な非日常が気づかせてくれたことが沢山ありました。
例えば雪かき。
雪が降ったから気づいた。知らぬ間に、雪かきをして、人が歩きやすいような道を作ってくれる人々が沢山いることを。
最初は、自分の家や店の前が雪だらけだと滑って大変だからという自分のための理由で雪かきをしたのかもしれない。「ここは滑ると危ないから」と利他的な気持ちから雪かきをしたのかもしれない。最初の目的や心持ちはどうであれ、雪かきをしてくれた人がいてくれたおかげで、私は助かった。きっと多くの人が助かった。
正直子育てって、こういう事なのかもしれない。いつ何時自分の子どもが誰かを助けるかもわからんし、助けても気づかないような事も多いかもしれない。それでもやるのが子育てなのかなぁ。
雪が降ったから気づいた。
バスやタクシーの運転手さんが優しかったことを。運転手さんって色んな人がいる中、昨日今日に当たった人はすごく優しかった。不便さは人を親切にするものなのかもしれない。だから田舎の人は優しいのか?
雪が降ったから気づいた。
太陽の光や熱のおかげで、雪が溶けてまた、歩きやすい道に戻ったことを。
雪が降ったから久しぶりに履いたブーツがある。
亡くなった大叔母が買ってくれた、雪や雨にも強い革のブーツを。子連れ移動だとすぐに脱ぎ履きできる靴ばかりになりがちだけど、このブーツは留学中の私の足も守ってくれてたっけ。持っていたけど箱にしまいっぱなしだった。
4年前に東京では大雪が降った。実に40年ぶりの大雪だった。そんなとんでもない日が私の結婚式でした。朝は電車が動いていたおかげで招待客も式場のスタッフも来れて、無事に結婚式もできた。
運動会や遠足では雨が降る確率の方が高いくらいの雨女ですが、自分の結婚式では雪を呼んでしまった。でもそのおかげで、いつまでも来てくれた人の記憶に残っているらしいです。そして、私も雪を見ると結婚式の日を思い出す。
「雪だと電車止まるじゃん!うわーーゆううつ・・・・」
そう思うこともあります。
でも、それ以外にも人の暖かさや、雪かきみたいに多くの知らない人を助ける行動にも思いを馳せれた。
電車が止まるし、雪なんて迷惑!!と思うこともある。迷惑なほど非日常な何があると、今まで気づかなかった事が見えてくるのかもしれない。
しまい込まれたブーツのように、自分が本当はいつも持ってるのに、気づいていないことが沢山ある。
雪は、非日常から生まれる不便さはそんなことを気づかせてくれた。
だからね、雪よ、ありがとう。
雪が溶けたら、こんな事思ったのを忘れてしまうのかしらん。