英語を学ぶ時、他言語を学ぶ時。思いませんか?
「この単語って英語だとなんて言うの?」
「この日本語に相当する英語はあるの?」
辞書を使っても、訳がしっくり来ない事がある。
訳し切れない単語達について書いてたら、「どんな質問をされたら嬉しいのか」なんて哲学にまで、脳内が旅してしまった。
言葉の意義、翻訳しきれない言葉、から「嬉しい質問、寂しい質問」まで、書いてみた。
嬉しい質問と寂しい質問は何が違うと思いますか?
言語体型も文化圏も全く違う日本語と英語では、言葉の扱いが全く異なる。語順、語彙、言葉の成り立ち、すべてが違う。
■訳しきれない英語その1:life、That's life.
life=命、生命、生活、人生
lifeとは実に広義な単語。この全ての意味を含む日本語の単語はない。
留学中、上手く行かない事を話す場面で「That's life」と言うセリフを頻繁に聞いた。結構軽い感じで出てくる多用フレーズ。
「それが人生だよね〜」
「それは生命だよね」
「それが生活だよね」
日本語になると、なんだか重い感じになる。人生の迷い子相談している時みたいになる。
英語での that's life は、酒を片手に軽ーく言うような物。世間話中にも出てくるフレーズ。
ニュアンスが大分異なるのだ。
■訳せない日本語:わび、さび
侘び寂びとは、日本独特の文化だと思う。ゆえ、また、これに相当する英語も見つからない。wabi sabiとしか書けない。
私は茶道のお稽古の度に「わび、さび」を体感している。
地味な色の畳と壁、茶道具の色も基本的には全て地味色。抹茶を飲む器は、ピカピカ光るような素材ではない。
わびしい花を生け、地味空間に身を置く。「無」に近い状態。それに美しさを見出すのは、日本人だけかもしれない。
究極の引き算。それが侘び寂び。豪華絢爛を極めてみたら、「これやっぱり違うかも」と思ったのかなぁ。そりゃあ千利休と秀吉のソリは合わなかったのだろうなぁ…。
侘び寂びは、かなり深い日本文化。これを好きになる少数派の外国人も勿論居て、彼らはそこらへんの日本人よりも日本文化に詳しいエキスパートになっていたりする。
コテコテの白人アメリカ人の同僚が、流暢な日本語で「桜の枝垂(しだれ)ているのがキレイ」「うちの女房が…」と聞いた時は、ひっくり返るほど驚いた。
この他にも、訳し切れない日本語は、 過労死、着物、などだろうか。着物は文化だけど、過労死が文化になどなって欲しくない。
■訳しきれない英語:interrogate
時々覗いている掲示板(英語)で見かけた質問があった。
「〇〇の人って、質問されるのが嫌い?」
私は以下のように返答した。
I don't mind questions if they are really questions, not interrogations.
質問(question)は嫌いじゃない、(interrogations)でなければ。
訳すとこんな感じ。
私が気になったのは、question とinterrogate の違い。どちらも「質問する」という意味だが、ニュアンスが違う。
I was interrogated. (Interrogate された)
と友達に報告されたら、私はその友人の身を案じずにはいられない。どこかに捕まったのか、濡れ衣を着せられてるのか?誰かにイジメられたのか?等と考えてしまう。
日本語ではinterrogateは「尋問する」と訳されているが、これまた 違う気もする。
日本語の尋問=そもそも相手が黒、という前提でかかっている。明らかに責める感じ。
英語のinterrogate=相手を白とは判断していないが、どっちとも取れる、巧妙な"質問"。質問手が保身的になってる感じがする。
私は日本語でいう「尋問」よりも、英語でのinterrogate の方が苦手。理由は、どっちつかずだから。
「尋問」は、相手が私を黒だと判断しているのがハッキリとわかるので、反論しようもある。
「 interrogate」は、相手が私を完全に黒とは判断していないので、反論が難しい。反論すると「そんなつもりじゃなかったゼ☆」と逃げられることがある。
たとえば、相手が知らないであろう事に対して、「〇〇って知ってる?」とわざと質問をする。そして「そんなのも知らないのね。」と嘲笑う。これぞinterrogation。(私的にはね)
ニュートラルな質問、純粋な好奇心から聞かれる質問は、嫌いじゃない。むしろ歓迎する。
何か別の意図があって、質問される時。それは苦手。
生きてれば、誰だって色んな質問をされている。その中で心地よかったものと、心にひっかかった質問があったはず。
「〇〇で働いてるの?〇〇って、何してるの?」
就職した会社が有名だったりすると、こんな質問をされることがあった。私自身が、何十回も聞かれた質問だ。
真面目に答えたくない時が多かった。正直、良い気がしない事が多かった。
当時、その理由はわかっていなかったけど、今分析してみるとわかる。
あー、私自身に興味があるんじゃなくて、会社に興味があるだけなんだ
きっとこんな感覚があったんだなぁ、と。
実は、似たような質問を、親にもされたことがある。本人はそんなつもりは無かったのかもしれない。
変わった仕事をしているから、説明しづらい。
この会社独特の仕事だから、言葉にしづらい。
企業秘密かもしれないから、言えない。
真面目に答えたくない理由は色々あっかもしれない。
けど、一番の理由は、寂しかったから。
私そのものに興味はないんだ。野次馬的に、会社のことを知りたいだけなんだ。
そう受け取っていた私は、寂しかったんだと思う。
だって、私という人物に興味がないなら、私が答える必要はないじゃない?
保身でもない、私をバカにするためでもない、野次馬でもない。
私という人物を知りたい。
そんな風に嬉しい質問をされたら、もう、私はなんだって答えてしまうかもしれない。
自分が今何を聞こうとしているのか。
どんな意図でそうしようとしているのか。
人に質問する時は、それを気をつけたい。
「ねぇ、歯磨きしたの!?」
「靴下、片付けてくれた?!」
「トイレ行った?」
まずは、娘や主人にinterrogate 、威圧的な質問をしないように気をつけよう…。