印象に残っている名言はありますか?
こちらは大学時代、量子力学の授業の時間、アンドリュー・ウィルス教授の名言です。
Life is getting harder, or you're just seeing the complexities.
人生が厳しくなって来ている。または、複雑性を見ているだけだ。
「量子力学なんて自分には縁がないわ〜」という方にもぜひ見ていただきたい。量子力学的、謎の動きをする人々が、この世には存在する、ということを。
この授業で量子力学の何を習ったのか、どんな公式があったのか、今や全く思い出せない。されど、ニヤリと笑いながら、教授が言ったセリフは覚えている。
量子力学とはそもそもなんなのか、ざっくり説明します。我々が日頃目にしている物理は、視覚で確認できるもの。
テニスボールを壁打ちしたら跳ね返ってくる。三秒後には壁から50cmの所に居る。
これが普通力学。
量子力学でいう対象物体は、原子だの分子だの電子だの、目視できない小さな小さな存在。
テニスボール壁打ちの話で言えば、何度壁打ちを繰り返そうとも、ボールが壁をすり抜けて壁の向こう側に行く事はありえない。
が、テニスボールではなく、電子だったら、量子物体であれば、あれまあ不思議!壁をすり抜ける可能性がある。これをトンネル効果と呼ぶ。
古典物理的にはありえないはずの、すり抜け現象が起きる。これが量子力学の世界です。(量子現象は他にも沢山ありますが、これが一番わかりやすいかな?)
この訳のわからなさは、シュレディンガーの猫(物理学者シュレディンガーは、この量子特性を使った実験にて「猫は半分死んでいる」ということを言い出した)の話でもご参考に。
量子力学とは知れば知るほど訳のわからん世界です。
冒頭の Life is getting harder, or you're just seeing complexities は、正にこれを表す名言だ。
物事が難しくなっている様に感じる、それは実に
複雑であるこの世の実態を直視し始めただけである。
「量子力学をわかった、と言ってる奴は『何も分かっていない』と発言しているのと同じ」
なんて、言い放った学者も居る。
知れば知るほど摩訶不思議。理解できない現象が、歴然とそこにある。
これって、量子力学の世界だけの話ではない!と気づいた。
何かを学べば学ぶほど、己が如何に何も知らないかを思い知らされる。
色んな人を知れば知るほど、量子力学的な壁のすり抜け、トンネル効果、に近い現象をやってのける人がいる気がする。
物凄く倍率が高い何かに当選する人、
「普通そのやり方じゃ突破できないでしょ」という障壁を裏技的に乗り越える人、
壁をくまなく調べてなんとか穴を見つけて向こう側に行く人
量子物体じゃなくても、「普通に言ったら無理だろ!」限界を突破する人たち。
彼らって量子力学的動きをしてるんじゃないか。
見渡せば、神業的愛嬌で生きている次女ワカメちゃんが居たり、何を注意しても「そんな俺もかわいいよね〜♪」と神業的にポジティブな主人がいたり、心までプリンセスになった天使発言をする長女れーちゃんが居たり。
大学卒業後、あんなに勉強して楽しんでいた化学からはすっかり離れてしまった。量子力学そのものからは離れたものの、量子力学的な何かに、私はいつも囲まれているのかもしれない。
神がかり的な、インスピレーション的な、言葉や時空を超えた何か。(こう言ってると怪しい宗教みたいだ)
私はいわゆる「空気読めない」人です。婉曲表現を全く理解できない人が、文字にも表情にも現れない空気なんて読めない。ゆえ、グレーゾーンが多い日本語には不向きな性格だと自認してる。
次に空気読めないことでバカにされたら、「量子的になら空気を読めるよ」とか謎の反論をしてみようか。
そんな相手こそ、量子力学のトンネル効果を使って上手くスルーしたいところだ。
蛇足ですか、猫の話を。
量子力学の訳のわからなさに煮詰まったとある友人は、飼い猫に「シュレディンガー」と名付けました。その猫は、量子力学を理解を助けてくれることはなく、むしろ泥がついた足で家の壁を器用に歩くというオマケまでくれてた。
量子力学的世界では、足跡は残らないし、物体がどこにいるのかなど不確定要素が多い。が、泥付き猫の足跡は、確定的に汚れを残していたし、大家に怒られることは確実でした。
飼い猫に「シュレディンガー」と名付ける友人も、なかなか猟奇的、いや、量子力学的と言えよう。